オランダの食をご紹介
オランダの食べ物
オランダといえば…○○。この○○を考えるのは難しいですね。オランダには日本=寿司!の ようなオランダを代表する料理はないのではないか、と思ってしまいます。オランダ人の食べ物に 対する考え方は質素で、日本人のようにグルメではないため、オランダに存在するレストラン、 食べ物自体がマンネリといいますか…あんまり種類がないなあ、と思うのです。しかしながら、 日本からやってきたら何か食べたい、思うのが観光客というもの。思いついたものを書いてみます。
ハーリング(Haring)- ニシン
毎年6月(もしくは5月末)に解禁日が設定され、解禁初日から、多くの町ではハーリング(ニシン) を売るブースが立ち、たくさんの人々がその年のハーリングを楽しむために行列を作ります。 ちょっと塩でしめた生のニシンは日本人好みの美味しいお魚です。
パンにはさんで ニシンを乗せ、その上に玉葱のみじん切りを散らして食べるのが、オランダ流。または尻尾をつかんで 頭の上に手を持ち上げ、上を少し 向いてぺろっと食べる人もいます。ちょっとお行儀が悪いような気もしますが、これもオランダ流。私は気軽にスーパーで初物を買って、 家で味わって食べるのを楽しみにしています。
ボシュ・ボーレン(Bossche Bollen)- 地方のお菓子
オランダの南部のほうにあるデン・ボッシュのお菓子。日本で言うシュークリームのようなもの(ちょっとシュークリームよりも分厚い皮) の周りにチョコレートがコーティングされているお菓子です。オランダの別の地域やスーパーでも購入できますが、やはり本場の味は違い ます。デン・ボッシュのお店はいつも行列ができて、ここに来ると皆、ボシュ・ボーレンを堪能しています。デン・ボッシュに行かれる 方は是非本場の味を試してみてください。
ボシュボーレンが有名なベーカリー: Jan De Groot
ストロープ・ワーフル(stroopwafel)- オランダのお菓子
日本でも最近メジャーになったオランダのお菓子といえばこれです。 先日日本に一時帰国した際、お友達にお土産として持っていったのですが、なんと皆この存在を知っていました!
友達が「コーヒーの上に乗せて食べるんでしょう?」と言うのでびっくり仰天です。 「どうして知っているの?オランダに来たことあるの?!」とこちらが聞いてしまったくらい… 日本の食文化と海外の食文化輸入の大きさに改めて驚いてしまった次第です。
ストロープワーフルの発祥はチーズでも有名なゴーダ。ゴーダに行くと、 本場ゴーダのストロープワーフルが売られています。…が、各地のマーケットにもストロープワーフル専門出店があり、作りたての新鮮なワーフルが売られています。 またどのスーパーマーケットにも売られているので、気軽に食べたい人はいつでもスーパーで購入できます。
身内の話で恐縮ですが、私の家族(日本およびオランダ)は ストロープ・ワーフルならぬストロープ・クッキー(Stroopkoeken)が大好物です。シロップがワッフルではなくクッキーに挟まれているというものです。こちらもスーパーで 購入可能です。こちらも美味しいのでお土産としてもお薦めできます。
フラーイ(Vlaai)- オランダ地方のケーキ
リンブルク州の名産菓子といえばこちら。リンブルク州はオランダとベルギーにまたがっており、両国の リンブルク州の名物となっているのが面白いです。
フラーイは、焼きケーキでどちらかというとパイに近い感じですが、底が厚く硬いのが特徴です。 どちらかというとパンに近いような…。中のフィリングも素朴なリンゴ、さくらんぼなどを煮詰めたものが入っており あまり甘くないのが特徴です。
オランダ各地にフラーイの専門ケーキ屋さんがあり、スーパーなどでもフラーイが購入できますが こちらはケーキっぽいです。名産地で食べるフラーイは、ケーキらしさがぐっと薄れ、 素朴なお菓子であることが分かります。
コーヒー(Koffie)
コーヒーって食べ物じゃないんじゃないの?とツッコまれそうですが…オランダで自慢できるのはコーヒーが美味しい、ということでしょうか。
オランダ人は相当のコーヒー好きで、朝のお茶の時間→コーヒー(2杯?)、昼のお茶の時間→コーヒー(2杯?)、夕食後のコーヒー(2杯?)、 と何杯飲むのかしら?とつい疑問に思うほどです。コーヒーに関しての皆の舌はかなり肥えていて(他の料理に関しての舌もこれほど肥えていてくれれば…)、 あのカフェのコーヒーが美味しい、ここのカフェが美味しい、という情報はよくあちこちで見かけます。
大体どこのカフェのコーヒーも、濃厚で美味しく、ここの味に慣れると北米や日本でアメリカンコーヒーは飲めなくなります。 スターバックスのコーヒーも昔の感動がなくなりました。帰国時に日本でコーヒーを飲んでもかつての美味しさが感じられません。 カフェでは大体一杯2ユーロ強で飲め、一緒にチョコレートかクッキーが付いてきます。
フレンチレストランなどで食後のコーヒーを頼むと、たくさんのチョコレートが盛られたお皿が付いてくることが多く、 お腹一杯なのについついチョコレートをつまんでしまいます。ちなみにオランダのレストランでは、デザートを食べ終わった後、コーヒーを頼みます。 日本のようにデザートとコーヒーをセットで、ということはありません。ですので、チョコレート盛りのお皿は私からするとデザートその2、という感じになってしまいます。
フレンチポテト・パタット(Patat)
パタットはもともとはベルギーの名物。しかしながら、オランダでもかなり浸透しています。どの街にもポテトフライのマークの入ったパタットのワゴンや出店を見ることができます。「これって単なるフレンチポテト(ポテトフライ)なんじゃないの?」…そうです。そうなんです。でも…結構美味しいんですよ。マヨ(ネーズ)かケチャップ、または両方を付けて食べてみると、、、これが辞められない、止まらない、の世界なんです。オランダでもっとも消費されている食べ物(特に若者に)、それはこのパタットといっても過言ではありません。オランダ人曰く、ベルギーのパタットはさらに美味しい!ということなので、ベルギーでも試してみてくださいませ。
パンケーキ(Pannekoeken)
ランチの代表といえばこれ(たまにディナーの場合もある)。薄く大きく伸ばしたパンケーキは日本の ホットケーキというよりむしろクレープに近いかもしれません。プレーン(何も入っていない)パンケーキも ありますが、パンケーキハウスでせっかく食べるのであれば、何か入ってるものを選ぶとバラエティーがあって よいかも。
メジャーなのはチーズ(Kaas)やベーコン(Spek)などが入ったもの。パンケーキにチーズ?と 最初はちょっと組み合わせに驚きますが、一度食べると病みつきに。。。私が最近凝っているのは、 この塩辛系の具に甘いパンケーキ特製ソースをかけて食べるという甘辛ミックス。これも最初はおっかなびっくりでしたが… 慣れると病みつきです。
もちろん、根っからの甘系パンケーキもあり、こちらは果物やクリーム、アイスクリームがどっさりのっていたりします。 どちらの場合も一枚食べるとお腹がいっぱいになります。
白アスパラガス(Witte Asperges)
オランダの春を告げる食べ物といえばこれ。あちこちのスーパーやマーケットで売られる白アスパラガスは、 グリーンアスパラなんか比べ物にならないくらい大きく立派。皮を剥いて茹でて食べるだけでもよし、ホワイトアスパラ ソースを添えた伝統的料理にしてもよし、スープにしてもよし。。。美味しいんです。
この時期になると、あちこちのレストランでは アスパラガススープやアスパラガスを使った料理(またはアスパラガスコースなど)がメニューに載ってきます。 季節料理なので通常メニューには載っていないことも多く、別紙で紹介されていたり、壁にメニューが貼ってあったり…というわけで、 この時期ご旅行の方で、アスパラガスを食べたいー!という方は、どうかレストラン&メニューをぐるっと見渡して 見てくださいまし。
オランダのレストラン
食べ物のことは分かった。。。で、いったいどこで食べたらいいの?と疑問を持たれる方のために、 オランダのレストラン情報を少し述べてみましょう。
日本人のオランダのレストランのイメージは「まずい」と、あまり評判はよくないようですが、近年は小さい頃からEURO圏内のあちこちを旅行してきた EURO世代が大人になり、それに伴いレストランの質もぐんとアップしています。相変わらず美味しくないお店も多数 ありますが、なかなかイケる、美味しい、というお店もたくさんありますのでレストラン訪問も楽しいです。
特に最近地産地消が叫ばれ、美味しい地元の食材を使ったレストランが多数登場しており、シンプルな味付けでも 充分美味しいお店が多くなったのが特筆すべき点だと思います。
ただ…昼間のランチは充実してません。これは昔からの文化なので致し方ありませんが、オランダ人にとって、 ランチはブレックファストの延長なのです…。
質素にパンで済まそうという人が多いようで、個人やファミリーでレストランを訪れることはめったにありません。 せいぜい街角スタンドのスナックやパン類か、はたまたカフェのサンドイッチメニューか、という選択になります。
平日の場合、高級レストランではランチもやっておりますが、 これは完全にビジネス向けと思ってください。お値段が「ランチ・スペシャル」になるということはなく、何時間もかけて3コース・4コースを食べながらビジネス会話をする、という 日本で言うディナーのイメージです。しかもビジネス向けですから、大抵、土日はオープンしていないのです。ランチ天国の日本と比べると、はっきりいってつまらない!!の一言につきます。
出張者など、一人で気軽に入れるレストランがあまりないのもお国柄かもしれません。 オランダでは、一人で食事…という風景をそう見かけることはありません。 大抵が何かの記念日(多くの場合誰かの誕生日)で訪れているようで、 1グループの人数も多かったりします。
つまり…オランダでは、レストラン訪問=何かの記念日、であって、気軽な日常の延長ではないのです。 日本からの出張で一人でご飯を食べなければならない場合、どこに入るにも躊躇し、結局、 ファーストフードで済ませてしまった…なんてことが発生しがちなのです。 オランダに観光で&出張で来られる方、上記のことを踏まえてレストランを探してください。
オランダ街歩き
各都市のお薦めレストラン・カフェは各都市情報(街歩き案内)に載せています。その都市を訪れる際の参考にどうぞ。
フレンチ(オランダ)レストラン
正統派フランス料理店も存在するけれど、オランダにあるフレンチはどちらかというとオランダ流 フレンチが多いです。 内容はたとえば、メインデッシュはソースがかかった魚でなんとなくフレンチっぽいけれども、 付け合せにポテトの皿が付いてくる、 といった具合。ソースの味付けもあっさり系が多く、オランダ人に好まれる味付けになっています。
多くの正統派フレンチレストランの魅力はなんといっても、ヨーロッパの香り漂うアンティークな装飾だったり、 建物自体が 17世紀の美しいタウンハウスだったり、、、と味やサービスだけでなく、総合的に楽しめるところかもしれません。 日本のフレンチも美味しくて雰囲気のよいところが多いけれど、このアンティーク装飾、雰囲気だけはやはり本場ヨーロッパであるオランダに軍配を上げておきましょう。 もちろんオランダにもモダンなお店もあるので、フレンチレストラン=100%アンティークな雰囲気は当てはまりません。
インドネシアンレストラン
オランダでメジャーな料理といえば、インドネシア料理です。意外?…ではないんです。もともとインドネシアはオランダの 植民地だったため、インドネシア人の移民は多く、オランダ人も古くから親しみを持って食べているのです。オランダでは 中華レストランに入っても、BAMI?NASI?などと聞かれることがあって、完全にインドネシアが混ざっています。
インドネシア料理の 代表といえば、ライステーブル(オランダ風に言うとライス・ターフル)。 テーブルいっぱいに小皿が並ぶコース料理です。 いろんな種類の料理を少しずつトライできるのは非常に魅力的(10-15種類くらい)。 大抵二人以上から受付なので、 友達、家族でお出かけの際、ぜひトライしてみてください。
中華レストラン
中華料理は世界のどこにいっても食べられる料理の一つ。食べ物にかける中国人の熱意ってすごいんですねえ。 オランダにおいても同じ。ものすごく小さな町の唯一のレストランが中華だったり…と中華料理レストランは オランダのどの街にもある、と言っても過言ではありません。
ただし、大抵の料理店が上記に述べたようにインドネシアとの ミックスになっており、「NASI(チャーハンのこと)?BAMI(ヌードルの一種)?」と聞かれます。 白いライスが欲しい場合はWitte Rijst(White Rice)と頼んでください。
ロッテルダムなど大きな町に行くと、たくさんの中華料理店があり、いったいどこに行くか迷って しまうくらいですが、どこも結構混んでいて、中華料理はかなり浸透しているのだなあ、 と改めて思ってしまいます。また、オランダ在住の方で「たまには 手抜きしたいから宅配を頼みたい…」という思いがある方。大抵の中華レストランは宅配、 もしくはお持ち帰りをしているので、レストランで「宅配を頼みたいのだけれども?」 と尋ねてみてください。宅配リストが貰えるはずです。
イート・カフェ
ひとりで旅行していてなかなかかしこまったレストランにはいけない、時間がないのでなるべく 短い時間で夕飯を済ませたい。 でも、世界のどこにいっても同じファストフードじゃ、あんまりに味気ない。。。 なんて方に向いているのが、このイート・カフェ。
基本的にカフェとは変わらず、昼間からOPENしてカフェとしてにぎわっているけれど、 夜になるとレストランメニューを提供する、というのがイート(イートは食べるという意味)・カフェ。 場所によっては、何時になってもレストランとカフェが混合しているところもあるし、 夜になるとカフェ・オンリーの客は断ってレストラン客のみ受け付けるところもあるようです。
イート・カフェかどうか見極めるのは、看板に食べ物メニューがでているかどうか?ということに なってきますが、オランダ語が読めない人にはちょっと厳しいかもしれません。 少し覗いてみて、中で誰かご飯を食べている人がいれば、あ、食べれるのだな、と入ることも可能ですね。少なくとも夏は、屋外にもテーブルがずらーっと並び、 ビールを飲んだり、ご飯を食べている人があふれているので、容易に見分けられるはずです。メニューはメジャーな町や観光地のイートカフェならば、英語も置いてあるので、英語メニューを尋ねてみてください。