オランダ街歩き - アーネム

アーネム - Arnhem Point

ドイツとの国境すぐのところに位置する町アーネム。ライン川が流れ、北にフェルウェ国立公園があるこの町は、緑が多い町として知られている。

しかし、この町の名前を有名にしているのは、なんといっても第二次世界大戦のドイツ軍・イギリス軍との戦い。1944年の9月17日にこの町と ライン川にかかるジョン・フロスト橋の占領を命じられたイギリス軍は、パラシュートでこの町に降下した。橋を爆破しようとするドイツ軍、 爆破させまいとするイギリス軍の間で壮絶な戦いがあったが、けっきょくイギリス軍の後援が続かず、多数の死者・捕虜を出すことになった。 この戦いのため、この町のオランダ人は別の地に疎開せねばならず、廃墟となった我が家に戻ることができたのは、戦争終了後となった。

現在もアーネムでは、毎年9月17日、多数の退官軍人を(イギリス、カナダなどから)招いて、パラシュート降下をはじめとする記念行事が行われている。



アーネム (Arnhem) - 見どころ・ミュージアム

アーネムの見どころやミュージアム、アトラクションをご紹介します。

ジョン・フロスト橋 (John Frost Bridge)

ライン川にかかる橋。上記のとおりアーネムで一番有名な場所はこのジョン・フロスト橋である。 現在は普通の橋に車が行き来しているだけで、昔ここで壮絶な戦いがあったとは信じられないような静けさが漂っている。 しかし、第二次世界大戦の大一番ともいえるこの戦いの場を見に来るオランダ人、イギリス人、カナダ、アメリカ人は 今でも多く、橋の下、川沿いのところ空挺博物館の分館が建っている。私が訪れたときも、イギリス人の 団体、軍関係者と思われるイギリス人が思い思いに記念撮影をしていた。

橋のたもとの空挺博物館の公式WEBサイト:Airborne at the Bridge
Rijnkade 150, 6811 HD Arnhem

空挺博物館 (Airborne Museum)

マーケット・ガーデン大作戦と名付けられた第二次大戦中の有名なアーネムの戦いを紹介するミュージアム。白い美しい建物は、アーネムの戦い中、連合軍側の 総司令部となった建物。このミュージアムがあるアーネムの郊外「オーストビーク」という町は、美しい邸宅が並ぶ高級住宅街といった感じで、当時の 作戦がいったいどんなものだったのか?想像できないほどに、のどかで静かなところにある。

すべての説明は、英語・オランダ語・ドイツ語の3ヶ国語で説明されており、私たちが訪れた時は、たくさんの英国人と思われる人々がいた。 地下には、圧巻の「アーネムの戦い」を体感する(遊園地のような)空間があって、男の子たちが何回も行き来していた (小さいうちの子は、音を聞いただけで大泣きだった)。

そこら中で、死がごろごろとしている世の中。明日は自分も死ぬかもしれない。そんな中で撮られた写真にも、笑顔があるのに驚いた。 明日は死ぬかもしれない、そう思ったからこそ、今日を必死に生き抜いたのだろうか。

この博物館の展示は、連合軍側から見たアーネムの戦いだけではなく、ドイツ側から見たアーネムの戦いについても展示されている。 上の新聞の写真は、ナチス・ドイツ側のオランダの新聞で、「敵(連合軍)が来るので、住民は注意せねばならない」と警戒している。 当時はオランダ国内も真っ二つに二分されていたことが分かる記事だ。

空挺博物館の公式ウェブサイト: www.airbornemuseum.nl
Utrechtseweg 232, 6862 AZ Oosterbeek

バーガーズ動物園 (Burgers' Zoo)

オランダを代表する動物園の一つ。年間入場者数はロッテルダムのブライドルプ動物園と並びトップである。お隣ドイツからの観光客も多く、 園内はいろんな言語が溢れている。

見どころは多数あり、展望台から眺める広々としたサファリ、熱帯雨林エリアのブッシュ、そしてオーシャン・エリア… と、動物を楽しむと同時にエンターテインメントを楽しむ、という感じ。見せ方がとにかくうまい!!と感心しました。子供も大人も一緒に 楽しめること請け合いです。4歳未満は無料、というのもうれしい限り。

バーガーズ動物園の公式WEBサイト:www.burgerszoo.nl
Antoon van Hooffplein 1, 6816 SH Arnhem

オランダ屋外博物館 (Nederlands Openlucht Museum)

オランダ各地で使われなくなった家・農家・トラム・駅・教会・学校などを移築して、博物館として一般に開放しているのが、ここオランダ屋外博物館です。 日本でいうと「明治村」のようなものです。

6つの駅を持つトラム路線でぐるっと囲まれた広い敷地には、本当にたくさんの建物が立っています。 ほとんどの建物が、移築される以前の状態のまま、一般に公開されています。今でもあちこちで見かける大きな農家の中は、実はこうなっているんだ…とか、 昔の人はこんな風に洗濯したんだ、とか、こんな暮らしをしていたんだ、とか、、、オランダの昔を学ぶことができます。 チーズ工場もあって、チーズができる工程を学んだり、実際にできたてのチーズを購入することだって可能です。

昔ながらのオランダ風景があちこちで眺められ、ノスタルジックな気分になります。「昔のものは美しい」…イギリスのナショナルトラストのように、 ここで、昔のものに囲まれていると、なぜか心が和みます。

オランダ屋外博物館のWEBサイト: www.openluchtmuseum.nl
Hoeferlaan 4, 6816 SG Arnhem
開館時間: 4月1日から11月1日まで。それ以外のシーズンは、12月-1月にウィンターシーズンとしてOPEN、または11月から12月までは公園としてOPEN。

ローゼンダール城 (Kasteel Rosendael)

アーネムの郊外、ローゼンダールにあるお城。太くて丸いぼてっとした天守塔が特徴的なお城である。この塔は1314年に建設され、こういった塔の中ではオランダ国内一の 大きさを持つそうです。塔の壁もものすごく厚く1メートルはあります。オリジナルとして残っているのはこの塔のみで、そのほかの住宅部分は18世紀に追加建設され、 カントリーハウスの意味合いが強くなりました。美しい庭と噴水、堀は19世紀に追加され、現在の形となっています。

お城の隣には現在はカフェとしてオープンしているオランジェリーもあり、庭の散策とともに優雅なひとときが過ごせます。

ローゼンダール城のWEBサイト: Kasteel Rozendael
Rosendael 1, 6891 DA Rozendaal
開館時間: 3月31日から10月31日までOPEN

フェルウェズーム国立公園 (Veluwezoom National Park)

ローゼンダールのさらに東に行ったところにあるフェルウェズーム国立公園。名前は似ていますが、有名なゴッホの美術館があるフェルウェ国立公園とは別の国立公園です。 アーネムをはじめとした都市からも近く週末にはハイカーや自転車を楽しむ人が押し寄せます。一番の見ごろは夏のヒース(8月上旬~中旬頃)。一面見渡す限りヒースに覆われる場所があり、 この時期は特に多数の人が押し寄せます。電車でも訪れることができる身近なお薦め自然スポットです。

アーネムのホテル

アーネム・周辺ホテル検索

値段と地図を合わせ見ながら調べると便利です。写真もたくさんついているのでイメージが沸きやすいかと思います。

「そらのプチホテル・B&Bファイルのオランダ編」にて お薦めB&Bやプチホテルをご紹介していますのでそちらもご参考ください。