ドイツ レーゲンスブルク

レーゲンスブルク (Regensburg) 

日本人にとって心のふるさとが古都京都であるとするならば、ドイツ人にとっての心のふるさとがここ古都レーゲンスブルクなのかもしれません。奇跡的に第二次世界大戦の 戦火を逃れ中世の佇まいがそのまま残る街並み。この街は世界遺産に登録されているのですが、世界中から押し寄せる観光客が通り抜けるロマンチック街道から微妙に外れているため、 騒々しい大型バスや多数の観光客が押し寄せることもなく、しっとりとした優雅さを現在に伝えています。また、漫画家(音楽家)池田理代子さんの漫画「オルフェイスの窓」の舞台と なっているため、昔から日本人個人観光客はこの街を目当てに訪れ、漫画のシーンを思い浮かべつつ想像を膨らませて歩きまわっているようです。実は私もその一人だったのでした。



レーゲンスブルク - Travel Information

大きな都市ですので、ミュンヘン・ニュルンベルクからインターシティやICEが出ています。どちらからも所要時間は1時間半ほど。駅から旧市街までは15分ほど。目の前には美しい 公園も広がっており、その後ショッピング街が続いているので旧市街までの道のりも楽しいです。この町は比較的大きな町ながら、 銀行(ATM)やお店にもシャッターや格子がないところが多く、 店外にもたくさんのCDが並べられていたりして…たぶんきっと窃盗犯罪がものすごく少ないんだろうな…と思わせる雰囲気がそこら中にありました。ドイツの中でも安全な 町のひとつに数えていいと思います。

レーゲンスブルク 見どころ - Things to do

レーゲンスブルクの見どころをご紹介します。

石橋

レーゲンスブルク一番の見どころといえば、ストーン・ブリッジと呼ばれる石橋です。ドナウ川にかかるこの石橋は12世紀に建てられたものです。 この時代に建てられ、現在も使われている橋はヨーロッパ全体でも数えるくらいの貴重なものです。橋の上から眺める街並み、中洲から眺める 橋と街並みは本当に美しく、ずっと眺めていたいという思いに駆られます。実際、たくさんの人が中洲に降り、川縁に座り込んで、思い思いの時間を過ごしています。

レーゲンスブルク大聖堂 (Dom St Peter)

レーゲンスブルクの街を彩るものといえばこのレーゲンスブルク大聖堂。町のシンボルです。この町はほかの都市と比べても安全なので、ぜひ夜の美しい大聖堂も見に外に出てみて下さい。 昼間の石橋からの大聖堂も美しいですが、街灯の煌めく時間帯もそれは美しいです。またいつかあの景色を見に行きたい。

レーゲンスブルク大聖堂のサイト: Dom St Peter

旧市庁舎(帝国議会博物館)

1世紀にはローマ帝国軍がここに都市を築き始め、のちに神聖ローマ帝国の帝国自由都市として発展したレーゲンスブルク。 1663年から1806年までは、この旧市庁舎で神聖ローマ帝国の帝国議会が開かれるという名誉にあずかりました。 現実には、帝国議会とは名ばかりのもので一度も何かの決定事項を議決されることなく、帝国が消滅するまで続く 「永続的帝国議会」と呼ばれたようですが、その現実はともかく、現在も昔と変わらない形でこの議会室が残り、 当時の面影を伝えています。

ガイドツアーでのみ、この博物館に入場することが可能です。ガイドツアーでは帝国議会室の他、地下に当時のまま残る中世の拷問室にも案内されます。 中世の「罪」とは何を意味したのか?…当時の様子を 体感することができます。現在「死刑制度」を廃止したヨーロッパと、まだ「死刑制度」が残る日本…「法と刑罰」の重みを 感じながら…不思議な思いで私はこの場に立ちつくしていました。ツアーの申し込みは、1階の観光局にて申込できます(英語・ドイツ語)。

トゥルン・ウント・タクシス家

中世時代にイタリア・ドイツ(主に神聖ローマ帝国地域)で郵便システムを作り上げ、莫大な富と名誉を築いたトゥルン・ウント・タクシス家のお屋敷が このレーゲンスブルクにあり、現在は一般公開されています(現在も家族はここに在住)。このお屋敷はもともと聖エメラム帝国宗教財団の修道院 だったものを宮殿風に改築されたもので、内部は豪華な宮殿部とロマネスク・ゴシック調の回廊部があります。

ドイツ帝国や皇帝制度は廃止され、現在のドイツ連邦共和国には、 かつての公爵・伯爵称号は公式には存在しないのですが、称号を使うことは許されているらしく、彼らはいまだ自分たちのことを「プリンセス」 「プリンス」と呼んでいます。なんとなく時代錯誤めいたものを感じないわけでもないのですが…。いずれにせよ、彼らは現在もドイツでもっとも裕福な一家の ひとつです。

ちなみに彼らのお屋敷が池田理代子さんのオルフェイスの窓のモチーフになった建物で、オル窓ファンがここに足を運ぶことで有名です。 また、ここまで来たら、是非隣に立つ聖エメラム教会(Reichsabtei Sankt Emmeram)にも足を運んでみてください。内部は豪華なロココ調で一見する価値はあります。

トゥルン・ウント・タクシス家のサイト: Thurn und Taxis
聖エメラム教会のサイト: St Emmeram Church

ヴァルハラ神殿とクルーズ (Walhalla) 

レーゲンスブルグの東のドナウ川沿いにヴァルハラ神殿というその名も神秘的な建物があります。バイエルン王のルートヴィヒ一世によって建てれたこの神殿は遠き ギリシャのパルテノン神殿を彷彿させる建物で、ドナウ川を見下ろす丘の上に堂々とそびえたっています。神殿内にはドイツの(またはドイツ語を話す)偉大な人々の 胸像がずらりと並んでいて、見るものを圧巻させます。

そして何よりもこの神殿からのドナウ川の眺めが雄大で素晴らしいのです。作家・宮本輝がいつまでも眺めていたい 風景…と本に書いており、それに憧れて私もここまでやってきましたが…残念ながらお天気が今一つで最高の眺めを堪能することはできませんでした…またトライしたいです。

またオル窓ファンならご存じですよね!ここの地下がロシアの革命家たちのアジトとして使われていたという設定になっています。カーニバルの後に、ユリウスとクラウスは二人で ヴァルハラのアジトまで走ろうと試みるのですが…ここを訪れたことある人は…まぁ~それは無理ね。ちょっと遠すぎよ?ということは分かると思います。ま、漫画の世界なので。 いずれにせよ、レーゲンスブルクまで行ったらぜひここまで足を延ばしてみたい…お薦めの場所です。

ヴァルハラ神殿までは夏季シーズン中(4月末~10月中旬)ドナウ川クルーズ船も出ています。所要時間は45分ほどで、往復すると見物時間も含めて3時間ほどです。 一日2本。ドナウ川から見上げるヴァルハラ神殿も雄大です。チケットは、市庁舎の観光局やドナウ川沿いに建つブースで購入可能。
会社:Regensburger Personen-Schifffahrt Klinger GmbH

レーゲンスブルクのホテル - Hotel

旧市街の雰囲気のよい場所に何軒かホテルがあります。が、世界遺産都市にしてはかなりこじんまりしていて、ホテルは不足気味なのでは?という印象があります。 クリスマスマーケット・シーズンなどは何カ月も前からホテルが満室になってしまうようなので、人気シーズンの訪問の際は相当前に旅行計画を立てて、 ホテルを確保した方が良さそうです。

 レーゲンスブルクのホテル検索

値段と地図を合わせ見ながら調べると便利です。写真もたくさんついているのでイメージが沸きやすいかと思います。

「そらのプチホテル・B&Bファイルのドイツ編」にて ドイツのお薦めB&Bやプチホテルをご紹介していますのでそちらもご参考ください。
「海外ホテル選び・手配・注意点」もどうぞご参考ください。

レーゲンスブルク - Cafe & Restaurant

レーゲンスブルクのお薦めレストラン・カフェをご紹介します。

Hotel Bischofshof - ドイツ料理レストラン

レーゲンスブルク大聖堂のすぐ脇にあるホテル・ビショフスホフの中にあるレストラン。場所も雰囲気もバツグンによい上、 サービスも料理も最高の美味レストランなので、滞在中に是非一度は出かけて欲しいところです。お薦めです!!

レストランのサイト: Hotel Bischofshof
住所: Krauterermarkt 3, 93047 Regensburg +49 941 58460


Cafe Orlando Regensburg - カフェ・ケーキ・コンディトライ

ドイツらしいしっとりした街には美味しいコンディトライ・カフェもよく似合います。私たちがここで食べた時、たくさんのドイツ婦人たちが 友人たちと午後のひと時を楽しんでいました。古今東西どこでも見かける美味しい風景ですね。

カフェのサイト: Cafe Orlando
住所: Alter Kornmarkt 2, 93047 Regensburg

Pernsteiner - カフェ・ケーキ・コンディトライ

私たちはここには行きませんでしたが、ここのほうが大きくてたくさんのケーキがあるようで、サイトを見ているだけでも興奮してしまいます。 クリスマス・マーケット時期にはマーケットへの出店もしているらしく、ケーキの他に伝統的なドイツのお菓子にも巡り会えそう。

カフェのサイト: Pernsteiner
住所: Von-der-Tann-Strasse 40, 93047 Regensburg