ベルギー・アントワープ クリスマスマーケット
Christmas Market 2004
昨日はアントワープに行ってきました。私の住んでいる ところからはけっこう近いのに、今だに降り立ったことがない 街だったのですが、ついに行ってきました。
クリスマスマーケットを見ることが目的だったのですが、 クリスマスマーケットはイマイチ大したことがなく、結局は 観光旅行&チョコレートショッピングになってしまいました。ロッテルダムから電車に乗り込むと、座る席を探すのが難しいほど の混雑ぶりでした。たくさんのオランダ人がアントワープに、ブリュッセルに、 とクリスマスマーケットを楽しむために乗り込んでいるのでしょうね。
アントワープ中央駅で下車し、いざ旧市街へ。駅ではさっそく 日本の学生さんらしき人たちがしゃべっているのを見かけ、さすがは 日本の観光客が多い街だなあ~、と実感します。ロッテルダムでは ビジネスマンは見かけても、観光客らしき人はほとんどいない もので(苦笑)。ベルギー観光局もあれほど宣伝している のですから、当然といえば、当然でしょう。ハイ。

今回はチョコレートを買うにあたり、下調べまでする熱の入れよう。 いつもベルギーに来ると、多々あるチョコレート屋さんを見かけ どれがいいのだ~?と迷ってしまい、最後は適当なお店で購入する パターンなのですが、今回はきちんと調べて行こうとインターネット で情報を探したのでした。
日本で有名なのはなんといっても、ピエールマルコリーニなのですが、 インターネットサイトによると どうやらアントワープのチョコレートとして有名なのはDel Rey (デル・レイ=今年2004年の10月に銀座に出店)、そしてHans Burie (日本未出店)というお店らしいです。とはいえ、そのインターネットサイト は「決定版!これがチョコレートショップベスト」などという サイトではないので、何を根拠にそう言ってるのかは 分からないんですけどねー(苦笑)。
アントワープのチョコといえばこのデルレイ。駅近くにあります。
というわけで…やはり日本で有名で外すわけにはいかない ピエールマルコリーニと合わせて3店の名前と住所を書き写し、 ベルギーに出かけたのであった。ほんと、でも、調べていって 良かったです。アントワープの街も他の街に漏れずたくさんの チョコレート屋さんが溢れていて、きっと調べていかなかったら 何がなんだか分からず適当に買ってしまったことでありましょう。
駅から歩き始めるとすぐ目の前に 大きな観覧車が回っているのを見かけました。今やクリスマスはどこも 観覧車がマストなんでしょうか?思うに去年まで、 アントワープのクリスマスマーケットはたったの1週末=3日間だった気がします。 ドイツに負けじとブリュッセルで近年規模を拡大したところ、 成功を収めたため、去年初めてブリュッセルでは観覧車を導入したというような 話を聞いたような気がしましたが…。いずれにせよベルギーのクリスマス マーケットは近年に発展したため、やはり本場ドイツのマーケット に比べると歴史も規模もすべてにおいて劣っているのでしょう。最初の年ケルンに行ったとき それはそれは、興奮したっけ。 やっぱ、クリスマスマーケットに行くならやはりドイツを選ぶべきかな…と思います。
…チョコレートショップのクリスマスデコレーションは美しいです
さて、まず最初に見つけたお店はDel Reyでした。たまたま 通り名を見たらそのお店がある通り名だったので、ちょっと歩いて みたらすぐに見つかりました。ショーウィンドーのチョコレートを見て、 うわぁっ…!と興奮しました。最近お腹の調子が悪かったせいか、お腹がすく こともあまりなかったのですが、視覚からお腹にビビッと「食べたい」 という命令が下った、とでもいうような(笑)。
中に入るとチョコレートウィンドーを覗き込むことはできないほどのすごい人々。。。 まだ着いたばかりなので、ここで今買うか、どうしよう?と迷って しまい結局買いそびれてしまいました…。後で戻ってくればいいや、 と思ったのですが、旧市街からは意外と遠く、閉店時間までに 戻ってこれなくなってしまったのです(涙)。欲しいと思ったら、 その場ですぐ買ったほうがいい…と昨日身をもって学びました(涙)。

デル・レイを後にし、旧市街へと向かいました。道のりは大きな ショッピング街、といった感じ。 オランダにもあるチェーンストアが多く、やっぱりアントワープは オランダの影響をかなり受けているのだなあ~、と思いました。オランダが 縁遠かった南のアルデンヌなんかとは大違いです。しかも、今日はたくさんの オランダ人が押し寄せているらしく、だんな曰く、あちこちから オランダ人のオランダ語が聞こえてくるよー、ということでした。
私はまだまだオランダ語初心者なので、ベルギー人のオランダ語(フラマン語) とオランダ人のオランダ語の区別が付きにくいのですが はっきり、耳につくようなうるさいオランダ語をしゃべるのがオランダ人 ということらしいです(笑)。なるほど、初心者の私でもベルギー人の オランダ語はちょっぴし、フランス語の影響を受けて、ごもごも~と 篭ったようなしゃべり方みたいだな、と思いました。
次はピエールマルコリーニのお店に行きました。 こちらも一応下見、という形で。こちらのお店は先ほどのデル・レイと 比べ、こじんまりとしている、というのか、普通っぽい、というのか。 外に飾ってあったケーキ類もモダン系。美味しそうなのはどちらも共通でしたけど。 ケーキ好きにはたまらない美味しそうなケーキがずらっと並んでいて、 今ケーキを買っても?!…これまた悩むところなのです。 中に入って「購入しますか?」といわれたので、 「見てるだけ」と答え、こちらも購入をパス…うっ、うっ、うっ…。 ちなみにこのときずらーっと並んでいたケーキ は夕方になってもう一度戻ってきたときにはほとんど売り切れてなくなって いました。ケーキを購入したい人は早めにいくべきです…。
クリスマスマーケットの中心地
リストアップしていったお店のうち2つを無事見つけたので、気持ちがすっかり 落ち着き、観光することにしました。最初に目指すは なんといってもアントワープの象徴、アントワープ大聖堂です。

日本から来る旅行者のほとんどこの大聖堂にくるのではないでしょうか。 そう、あの「フランダースの犬」のお陰でね。この私だって、あの最後の 感動的なシーンは覚えてますし、いつか来て見たい場所だったことは事実です。 2ユーロの入場料を払い、中に入りました。オランダの教会と大違いなところ は、中の装飾がとっても豊かであるということ。さすが 派手好きカトリック教会ですね。たくさん飾られた絵、天井、装飾、ステンドグラス…すべてが 豪華でうっとりとします。
天井の装飾も美しくて上を眺めながらうっとり…
ネロとパトラッシュが最後に 見たルーベンスの絵はもちろん、ステンドグラスや装飾までじっくり 眺めました。正面左においてあった聖母子像がなんともいえずいいなあ、 と思いました。私が中高時代に通ったカトリックスクールの入り口には マリア像があって、なんだかそのマリアさまを思い出しました。オランダ 北部は新興宗教(プロテスタント)が中心の国なので、めったにマリア像には 出会えないのですが、ベルギーはカトリック国なのでオランダとは一番近い国と 言われても教会の雰囲気は全然違います。
この回廊も美しいですねえ…
ルーベンスの絵 - 聖母被昇天
外に出て、フローテマルクトに向かいました。フローテマルクトには ベルギーらしいギルドの家々が連なり、豪華な雰囲気が溢れています。 が、しかし、、、クリスマスマーケット開催期間中の今はここに スケートリンクが登場し、サルサ音楽やらディスコミュージックがガンガン 流れて、新旧の文化が流れている?というか…無秩序なカオスという感じでしたが。。。(汗)。
どうやらここのマルクトのクリスマスマーケットは飲食中心のようだった ので、写真だけぱぱぱっと取ってカフェに行くことにした。この日は とっても寒く、立ち食いよりも座って暖を取りたい…てな気分なものでして。
中世のような雰囲気…しかし音楽は派手現代のもの、、、
教会の前のカフェに入り、外を眺めていると、突然雨が降ってきました。 そう、今日は曇ったり晴れたり雨が降ったり…のめまぐるしく変わるこちらならではの天気。 雨が止むまで待って、体が温まったところで再び外に出ました。そのまま クリスマスマーケットを見ることにしたのですが、ちょっと期待はずれの 少ない出店数であっという間に全部見終わってしまいました。買いたい!と 思えるようなものもあんまりなくて、うーむ。このまま、夜まで ショッピングに時間を費やすのはかなり難しいぞ…という感じです…。
でも、大丈夫。今日はちゃーんとガイドブックも持ってきてるし、 なんとなく行きたいところも目星を付けてきているのです。 行き先は世界遺産に登録されているMuseum Plantin-Moretus(プランタン=モレトゥス)。ここは旧市街の中に位置し、マルクトからも 近くてさっと行くには便利なところです。

だんなが地図を確認し歩き始めましたが、私にはそれが合っているのかさっぱり分かりませんでした…。 私が女だから地図が読めない、とか、そういうものではないと思うんです。ともかく、日本と違って ヨーロッパの街はくねくねしているし、通り名も複雑で単に 慣れてないんだと思います。だって。くねーっと曲がっていても 何故か同じ通り名が続くこともあれば、一通り道を横切っただけで通り名 が突如変わってしまうこともあり、いっつも「な、なんでやねん?! わっからんなー」とこんがらがっているからです。やっぱり、まっすぐ 東西南北。日本人は平城京の頃からまっすぐな都に慣れ、それが 先祖代々に引き継がれているのでありましょう…(ってこじつけですかね?)
というわけで、どこをどう歩いたのかさっぱり分かりませんが、くねくねくねと歩いたら… あら不思議!ミュージーアムの前に到着しちゃいました。なんだか外まで行列で大人気? と思いきや、その時、ちょうど大きな団体さんが到着したらしく 皆フランス語をぺらぺらぺーらと話していました。
世界遺産のミュージアムです
中に入って、入場料を払い、荷物を預け、ミュージアム内へ。ちなみにこのミュージアムは いったいどんなミュージアムなのか?と申しますと、16-17世紀の 印刷屋さんなのです。
この頃の本といえば、たいがい聖書、または 宗教に関わる本がほぼ全てで、大体がラテン語やヘブライ語で書かれた ものなんですよね~。この辺りではこの時代になっても神聖なもの、高尚なものに 関してはラテン語を使うという文化だったんですね。そう考えるとはるかかなた昔の 9-10世紀には独自の文化が栄え、清少納言や紫式部などの女性作家 さんが日本語ですらすらと本を書いてしまった日本って…どんだけすごい文化を持った国だったんだ!!! …と改めて思います。しかも男女の話、そして人間の栄枯盛衰を描いているのですから…。 Story of Genjiの存在を知った西洋人があまりの衝撃にすっかり虜となっちゃう…というのは まさにこういうことからなのよね…と外を知ってあたらめて内を知る私。 日本語はすごいよ!!日本文化もね!!大事にしなくっちゃ。
と話がちょっと逸れてしまいましたが…(ホホホ)、そんなわけで ラテン語やヘブライ語で書かれた本を眺める時間となりました。 この頃の本って、高尚な聖職者なんかがそっと袖や懐に本を忍ばせて いたのかしらね。すっごーく小さいミニブック。そこに小さな文字 で印刷されているから、読むのはもちろん、作るのも大変だったと思います。印刷技術は 非常に進んでいたってことですね。
銅版画印刷もありましたが、文字は一本一本アルファベットを組み合わせて 印刷されていたらしく、たった一ページを印刷するのさえ、大変な 作業だなあー、とえらく感心してしまいました。
薄暗い空間に本や地図が並ぶ…本マニアにはたまらない場所
このミュージアムは34部屋の展示室に分かれていて、居間やベッド ルームのような住居の部屋もあれば、印刷室、編集室なんかもあって 面白いです。
私が一番興味を持ったのは地図の部屋。何を隠そう、私は地理が大得意な 地図マニアだったんですぅ~…。そこには地球儀も 置いてあって、日本はどうなっているかな?と見てみたら、細い線が少しなぞられているだけで土地が 確定されておりませんでした…(汗)。その細い線もまったく当てにならない形で 全然日本らしくない形。一方、ヨーロッパやアフリカは緻密に 書かれていて、ああ、日本って、ほんと極東のワケの分からん国 だったんだわ…と改めて思い知りました。
ちなみに線が細くって土地が全然 確定されていなかったのは日本と北アメリカの西海岸。あとは オーストラリアでしたねえ。まさにここから遠き国、日本。その日本人が 今や短期間の旅行でベルギーを歩き周って、世界中を飛び回って。 私はまるで時空を旅行した旅人のように、この頃と現代を思い比べて、改めてすごいことだなあ、と 時代の変化に感嘆したのでした。
ミュージアムを後にし、さて、最後は本日のメインイベントのチョコレート購入です!! そこからすーっと歩けば、先ほどチェックしたマルコリーニに 近いということが分かった私は、俄然元気が出てそこに向かって歩き出しました。 と、ところが。歩いていくと、なんだか雰囲気がいいちょっとした 広場に出て、、、見つけてしまったのです、、、。第三のチョコレート ショップを、、、!!Burieという看板を見つけた私は、あ、この名前、 確か調べたわ、と思ってがさごそとメモった紙を取り出すと…。
やっぱり。アントワープで有名なショコラティエ、Hans Burie のお店です(日本には未出店)。一応、これも有名なお店 らしいから中を確認しなくっちゃね、と中に入ってチョコレートを 確認してみることに。…と、これが。なかなか良さそうなチョコレートが並んでいるでは ありませんか。どうしよう。250グラムで11.50ユーロというお値段はマルコリーニの それより安く(13.50ユーロ)、しかも形が私好み、ということに なれば…もうここで買ってみるっきゃないじゃないの~。というわけで、 予定外のチョコ購入決定です!
そこから裏を回ると意外とすぐに先ほどのピエールマルコリーニのお店に到着。 途中、日本人と思わしき3人女性を見かけたが、3人が3人とも めちゃ大きいマルコリーニの紙袋を持っていらっしゃいました。あの紙袋の中に いったいどれだけのチョコレートが入っているんでしょう…。
さて、マルコリーニに着くと、朝にはたくさん並んでいた入り口の ケーキ類はほとんど売れてしまってました。中も先ほどと違って結構混んでます。 中に入って、もう一度チョコレートと袋を確認すると、150グラム でも購入可のようであったので、シャンパン入りのトリュフを150グラムだけ購入することにしました。

家に帰ってさっそく、少しずつこの購入したチョコレートを食べているのですが、 Burieはかなり濃厚で美味しいです。マルコリーニのシャンパン トリュフもお酒がすっごく聞いていて「大人の味」感がたっぷり。やっぱりいいですねえ。 高価なベルギーチョコがすぐに買える環境って!!
さて、話は戻って、チョコレートを購入後、少しだけクリスマスマーケットを見学。 その後、夕飯を駅の近くで適当にとって、、、アントワープを後にしました。 レストランではブイヤベースを食べたのですが…だんなはこのメニューを 知らないとのことでした。そうか。日本では「ブイヤベース」はけっこう知られた 調理だけど、オランダでは全然知られてないんですね。ベルギーとオランダ はお隣さん同志なのに、一方、食やその他の文化はやっぱり違うのだなあ、 と実感したのでした。
アントワープのショコラティエ: Chocolatier BURIE
アントワープのショコラティエ: Chocolatier DEL REY