オランダ・キューケンホフのウルトラガイド

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まず初めに

キューケンホフを訪れる人にとって一番知りたい情報…それはいつが一番見ごろなの?ということだと思います。しかし、キューケンホフ側としては、 開催期間中を通じて観光客に訪問してもらいたいため、敢えて最低限の情報提供しかしていないようです。しかし、そうは言っても遠くから訪問するんだから… という人々の気持ちも分からなくもない、ということで、このサイトでは時期別、エリア別に丁寧に情報を提供いたします。

しかし、色んな時期を見に行った感想をズバリ!…言わせていただきますと、「いつ行っても割と良い」「いつ行っても何かが咲いていて何かが咲いていない」のが実情なのです…!!



これを知れば見る目が変わる!キューケンホフのウルトラ

多くの人にとって、キューケンホフは球根花が奇麗な春の庭園…そんなイメージしかないと思います。しかし、キューケンホフは、知れば知るほど「スゴイ」庭園なのです。 まず、このキューケンホフは、天候にほぼ左右されることなく、開園期間中に完璧なスケジュールで花が咲くようにきちんと管理された、まさに最先端の技術が駆使された 庭園なのです。



これを書いている今年は暖冬です。昨年の春先は全てが凍り付く寒さでした。このような不安定な天候では、何もしなければ球根の開花時期に大幅なずれが出てきてしまいます。 球根は一度成長し、芽が出て蕾が出てしまうと、成長を止めることはできません。そのため、芽が出る以前の段階、つまり私たちの目に届かない閉園期間中の秋から冬にかけて 手厚い保護を行い、完璧なスケジューリングで開園するのです。この事実を知ると、実はキューケンホフという庭園は、球根・草花の世界で、最先端技術を持つオランダの知識と 技能が結集されたものすごい庭園だということが分かるのです(※ちなみにこのスケジューリング技術はトップシークレットらしく、インタビュー等でも写真がでてくることはありません)。



最近のキューケンホフは2か月の間に花が咲くようにかなり工夫された軍配で球根が植えられています。この球根をミックス配合するとこの時期にこのように咲くから デザインはこうなるべき…それを見越して膨大な植えこみ作業を手作業で行います。しかし、球根なんてどれも同じ形ですし、広大な土地で実際の開花時期を想像しながら 球根を植えるのは不可能…というわけで、どのような作業が行われているのか、これも興味深い点です。


キューケンホフを訪問する前に知っておきたいこと

訪問時間配分
1日時間があり、特に時間を気にする必要がない人はのんびり訪問するのが一番です。しかし、ツアーで訪れ、2時間~3時間など時間に 限定がある人は、サクサク回ることをお勧めします。たくさん開花している時期に最初で「ワーッ」と留まってしまいますと、ステキな場所を 見逃す可能性が高くなります。一番の見どころは開花時期によって変わっていくので、今、ここで「ここは外せない」と断言することはできないのですが、 サクサク回ると一番の見どころを見逃す可能性は低くなります。気に入ったところでさっと写真を撮りつつサクサク見て回った場合の所要時間は2時間+お茶などの休憩時間です。



訪問方法
最盛期のキューケンホフはえらく混んでいます。この混み具合は尋常ではありません!!園内の混み具合もすごいですが、周辺地域の混み具合も すごいです。乗用車で行かれる方は渋滞をご考慮ください。バスを使って訪問される方は、帰りのバスの待ち時間はかなり長くなる可能性があると覚悟して ください。忙しいスケジュールを組んでいない人はよいですが、ほかにも訪問ヵ所がある人はこの行き帰りの時間を考慮して計画してください。 バスは次々とやってきますが、行列が数百メートルにも及んでいるのが通常ですので…(-_-;)。

忘れずに貰おう
キューケンホフでは、入り口付近(入場前・入場後両方)で、園内の案内フォルダーを配っています。気がつかない場合もあると思いますが、この案内フォルダーが あるとないではずいぶん違うので忘れずにもらっておくようにしましょう!



いつ行くべき?…最も大事なポイント

もし訪問日を選べるのであれば…いつが見ごろ?という観点も非常に重要ですが、それ以上に天気も重要です!お花は晴れている日に見るのと、曇っている日に見るのと、雨が降っている 日に見るのでは、ずいぶん印象が違います。緑が中心の庭園では雨が降っているしっとりした状況でも、それなりの魅力がありますが、球根のカラフルさが自慢のキューケンホフは 晴れている日に見るのが一番です!これは間違いありません。ですので、より晴れた天気の日に訪れるようことをお勧めします。



エリア別見どころ

キューケンホフはオランダの王家に由来する名前がついたエリアで分かれており、それぞれ特徴を持った形式の庭園作りを行っています。訪れる皆さんにも好みがあると思いますので、 おおよその特徴をこちらでお伝えしたいと思います。

ただ…キューケンホフって本当に不思議な庭園で何度訪れてもどこをどう歩いたか地図上で示すことができないんですよ。なぜこういうことになるのか?というと、人間は 単純なもので花が咲いている方向に無意識に歩いていく傾向があるからです。一方、咲き終わった花のエリアには目も向けない。なので、確か1週間前に訪問した際、この花がこの辺りに あったような気がするのに そこがどこだったかもう分からない…という事態になっても、それは別に私がアルツハイマーというワケではないんです…(笑)。それくらい劇的に変化していく庭園なので、 あくまでも地図はこの辺り、を目安にステキな花に導かれて歩くことをお勧めします。


オランイェ・ナッソー(Oranje Nassau) エリア



入り口から入ってすぐのところから右手方向に広がるエリア。いつも入園した人々が感嘆の声を上げて立ち止まっているので、かなり混雑しているエリアです。 この辺りは「花壇植え」が特徴です。混合ミックスの巨大な花壇がいくつもあり、いつの時期も必ず何らかの花が咲いてカラフル、にぎやかなエリアです。 家族連れは子供の遊び場などもこのエリアにあります。

ともかくいろんな配合の花壇がこれでもか、これでもか、と続くのでこの辺りで写真を撮りまくっていると先に進めない…という事態になりますのでご注意を!

~ このエリアの写真集 ~













ウィレム・アレキサンダー(Willem-Alexander) エリア



オランイェ・ナッソーエリアをさらに右に進んでいくと、テーマ花壇などがあります。その年のテーマに沿った意欲的なインスピレーション・テーマ館が いくつもあり、インスタ映えするエリアとなっています。また見晴らしのよい広い敷地も広がり、花々が豪華絢爛に植えられています。 先に進むと橋があり、そこを渡ると風車があります。その前はピクニックエリアとなっており、天気の良い日は人々が思い思いの場所でくつろいでいます。 八重桜が奇麗なのもこのエリア。

~ このエリアの写真集 ~












ベアトリックス(Beatrix) エリア



風車をさらに北に進んでいくと、「これぞキューケンホフ」という木々と運河に囲まれたエリアが登場してきます。この辺りはカーブを描いた花壇が 多く、球根が奇麗に開花している時期は見どころいっぱいとなります。木々に囲まれているため新緑の時期が特に美しいです。ムスカリリバーやかわいいミッフィー館なども この辺りにありますのでお見逃しなく。ただしムスカリリバーの見ごろは1週間~10日ほどです。

~ このエリアの写真集 ~










ウィルヘルミナ(Wilhelmina) エリア



大きな湖があるのが特徴のこのエリア。湖の隣も、芝生と木々と花々が美しいエリアが続いており、いつ行っても見どころ満載です。 芝生と木々の間に彫刻も置いてありますので、カメラでアングルを考えるのが楽しいエリアでもあります。

~ このエリアの写真集 ~








ユリアナ・イレーネ(Juliana / Irene) エリア



最後にご紹介するのが入り口から見て、左側に位置するエリア。ユリアナ・イレーネエリアです。昔のエントランスは実はイレーネエリア でした。なのでここを通ると懐かしい気分になります。この辺りはもっとも変化に富んだエリアで、森のようなうっそうとした場所、 花壇の美しい場所、運河との調和が美しい場所、平らではなく多少起伏があり花が遠くまで見渡せるエリアなど魅力がいっぱいです。 右手周りで周るとこの辺りで時間がなくなる人多し!…でも、私イチオシのエリアなので、ここを見る時間を考慮してくださいね。 ちなみに記事トップの写真はこのエリアの写真です。

~ このエリアの写真集 ~








時期別の見どころ

さて。最後に時期別の見どころをお伝えしようと思います。最初に申し伝えましたが、実はキューケンホフというのは…いつ行っても何かが咲いていて何かが咲いていないのです。 ですので、いつ訪れれば完璧、という答えは残念ながらありません。オランダ駐在やオランダ在住などで長くオランダにいられる方は、同じ時期に行くのではなく、 時期をずらしてみるのも面白いですよ。ただ、一生に1回行けるかどうか、という方は4月中旬から5月の始めまでの天気の良い日に訪れることをお勧めします。


3月下旬~4月上旬

ほとんどの球根はまだ早い時期です。桜も咲いておらず、新芽もまだ出たばかりなので、外の魅力は最盛期に比べると少ないかもしれません。この時期の主な球根花は クロッカス。そして水仙です。ほとんどのチューリップはまだ芽も出ていない状態ですが、早咲きのチューリップが数種類あって多くの混合植え花壇で そのチューリップが咲いています。

見どころが少ないので、それを補うためにコンテナ植えがあちこちに置いてあります。植え替え可能なテーマ館の花壇などもきれいになっています。 見どころが少なくても、天気が良い日であれば、この年の春一番を感じるのに 十分な日となるでしょう。近隣からのお客さんが少ないせいか、比較的空いているのも魅力的です。お気に入りのスポットで超本格インスタ撮りの人が一番多いのも この時期かも…(笑)。


また、ウィレム・アレクサンダー館やベアトリックス館内の花壇はこの時期が満開です。いわばチューリップの展覧会となっており最新の多品種チューリップが一度に見られるのも この時期ならでは。お気に入りのチューリップを家で植えてみたい、という人はここでチューリップを見比べてメモって帰るのが一番手っ取り早い方法です。


4月上旬~4月中旬

この時期が一気に春らしくなる時期です。暖かい日が一日でもあると、どんどん開花が進みます。毎日魅力が変わる、といっても過言ではありません。 この時期の主な球根花はヒヤシンス、そして(別の種類の)水仙です。チューリップもかなりの品種が咲き始めますが、まだまだ新芽が出たばかりというものも多いです。 一方、最初の時期に見事だったクロッカスは跡形もなくなっています。


桜が咲くのもこの時期。キューケンホフには実にさまざまな桜の木が植えられていて、一重咲きのものから順々に咲き始めます。


また、キューケンホフの周りの チューリップ畑が最も美しいのもこの時期です。外のチューリップ畑は観賞用ではなく、販売用なので少し咲き始めるとすぐに刈り取られてしまいます。 見ごろなのはたったの1週間ほど。鑑賞できたあなたはラッキーです。


4月中旬~5月上旬

木々の新芽がどんどん大きくなり、春先の雰囲気はまったくなくなります。ついにチューリップが最盛期を迎え、一番カラフルでにぎやかな時期といってもいいかもしれません。 この時期の主な球根花はチューリップ、そしてムスカリ。一方、少し前に美しい匂いを漂わせていたヒヤシンスは一気に枯れて姿がなくなってしまいます。 水仙もありません。暖かい日が続くと、あっという間に開花が進み、あっという間に散ってしまうので、まさに一日一日が勝負!となってくるのがこの時期です。


多くの桜は咲き終えますが、全部が全部終わり、というわけでもなく、場所によっては桜がまだきれいに咲いています。チューリップと桜の組み合わせも新鮮です。

5月上旬~閉園まで

実はこの時期はまだ行ったことがありません。ほとんどの花が刈り取られているのを見るのはちょっと寂しいかなあ…と思って。ツツジやシャクナゲの花が植えてあったので、 この時期になるとこういった花々が咲きだすのだと思います。こうしてキューケンホフの短い開園期間は終了します。

いかがでしたでしょうか。花好きの私が贈るキューケンホフ・ウルトラガイド。ここは世界で一番写真撮影枚数が多いスポットだと聞いています。 見学すればするほど奥が深い素晴らしいスポットなので、ぜひ一度出かけてみてください!

キューケンホフ・オフィシャルサイト:KEUKENHOF.NL