アムステルダム - 仮設地帯の廃材カフェ

Amsterdam 2017

春らしい気候に誘われてアムステルダムへ。いつもと同じエリアに行くんじゃ面白くない(…飽きたわ…)というわけで今回はニューエリアを目指しました。



今、アムステルダムは大々的に拡大工事をやっており、北も南も東も西もどんどんエリアが広がっています。 不動産物件も好調で、売りに出すと瞬く間に売れてしまうんだとか。…う。なんとなく、EU離脱が決まったイギリス・ロンドンの後釜に落ち着きそうな雰囲気。 でも、バブルはイヤ~よ、ですけどね。

今回は北へ。北は、アムステルダム中央駅を通常の南側ではなく、北側に出て、川を渡った対岸上にあります。 川を渡るためには船に乗らなければなりませんが、この船がなんと無料!!!えーーー?無料?!オランダで船が無料だなんて、、、さすが太っ腹です、アムステルダム!(…?)

北もずいぶんと新しい建物ができて、モダンな雰囲気になりつつありますが、今回わたしたちが行った場所は、仮設建物と(今後も残すつもりなのだろう) 古い倉庫が立ち並ぶ一風変わった地帯。ちなみに昔は北はどこもドラッグディーラーたちが集うヤバい場所だったそうです~~(汗)。

カフェも銀行も多くの建物が仮設建物。たぶん、将来的にはこれらはすべて壊されてまったく別の建物が建てられるんでしょう。 それまで、人を呼び込むために仮の建物を建てて営業してもよい許可がでているんだと思います。

ようするに、一時しのぎ的な仮の場所なんですが…なんというか、ここはいつも見るオランダの風景ではなく、 異国にきてしまったような異次元空間になっていたから、ビックリでした。

これはこれで…めちゃステキ…ですよ?!

本日ご紹介するのは、廃材ばかりが集められたカフェ。ここではご飯はしませんでしたが、あまりのステキな雰囲気にノックアウトされました。 いや、これ、全部廃材ですってば!!!

廃材カフェ:Noorderlicht Cafe
NDSM-Plein 102, 1033 WB Amsterdam



広いエリアに廃材が点々とする風景は、こりゃ、アムステルダムではありません。トンネルを抜けるとそこは雪国であった、ではありませんが、 船に乗って対岸に渡るとそこは別世界であった、的な感覚に出会いました。

風に吹かれてパタンパタンと音を立てる看板。この物悲し気な音が…昔行ったカナダの田舎やアラスカを思い起こさせました。。。って、いやいや。ここはアムステルダムのど真ん中なんですけどね(←しつこいです)。

この手作り感溢れるステージは、昔行ったメキシコを思い起こさせました。飾られている裸電球もめちゃ素朴でよい感じ。 ここ、ユートピアだなあ~。 いつか壊されてしまう「仮の場所」なんでしょうけど、壊してしまうのがもったいない、そう思いました。

古いものが壊されて新しいものが出来上がるまでの間、仮のものを作って楽しめる心意気。こういうのっていいなぁと思います。 これなら次のものも超スピードで作る必要もないし。

なんでも作業が早い日本はとても素晴らしいと思うけど、人々が過労死するほど仕事をして頑張る必要はないと思う。 こういう仮のものも楽しめる余裕をもってくれたら、もっと住みやすい国になるのになあ。最近、日本の労働問題のニュースを見ると、 いつもミヒャエル・エンデの「モモ」を思い出してしまうのです。「時間がない」「時間が足りない」って…時間はどんな人にも平等に流れているのにね。

青い空の下に広がる廃材現場で、思いがけず出会えた素晴らしい雰囲気にわたしも、そして友人も大満足なのでした。