巨大!!車のミュージアム ローマン博物館

Den Haag 2020

コロナ禍で色んなことに制限のある世の中。世界中の人々が皆多かれ少なかれストレスを抱えて生きています。そんな中明るいニュースがあるとうれしいですよね。 最近の明るいニュースと言えば…F1かな。…といっても、私、車もF1も全然分からないんですが(苦笑)。全然分からないんですが、 今、急速に成長している若手F1ドライバーといえば、オランダのマックス・フェルスタッペン。今シーズンも好調です。そして彼が所属しているのは レッドブル・ホンダで…日本人のファンも多いんですよね。なんというか…もうそれだけで私はうれしい。オランダと日本の繋がり。オランダ人の活躍…(涙)。



日本でも人気がありますが、フェルスタッペン選手のオランダでの人気は凄いものがありますよ。もう何年も前から月曜日のスポーツ紙面のトップがフェルスタッペンという ことは何度もあり、これはサッカー王国のオランダではすごいことなんです。サッカーに興味ない男性陣の一部は相当盛り上がっており、F1レースの追っかけをやっている人も 多いです。ここ近年はお隣のベルギーGPなんてオランダ人に独占されてますから。今年度は来週開催されますけどね。

観客がオレンジ一色に染まっているのを見ると…車が好きな人が多いんだなあ~…と他人事ながらしみじみと思います(笑)。さて、オランダで車と言えば…!!! ローマン博物館です。デンハーグの郊外にあります。私は2年ほど前に訪れ、興奮して帰ってきたのでレポートしなければ!!と思ったのですが、ズルズル~と年月は過ぎ、 本日に至ってしまいましたが…(オイオイ…💦)、ここは展示物が大きな車、ということもあって10,000㎡もの巨大な博物館なんです。つまり、コロナ禍の今は最も密になりそうもない… 余裕で1.5メートルルールを守れそうな博物館ということで敢えて今、ご紹介することにしました(笑)。



何故かあまり知名度はありませんが…超豪華な施設。

このミュージアムはデンハーグのプチ市外…現在のアメリカ大使館のすぐ近くにあります。ともかく広大な敷地、贅沢な展示がウリ。これだけすごい博物館ですけど、 知名度はあまりないような…???たぶん、ツアー観光客には組みにくいのかもしれませんね。デンハーグに行くなら、普通マウリッツハウスに行くでしょうしね。 でも、オランダ在住者だったらここは一度は行くべきではないかと…。ちなみにミュージアムカードも使用可です。


私がここへ行ったのは平日だったのですが、何もない平日だったためかガラ空き。それでも車が好きなのかな~?と思われる男性がちらほら単独で見に来ていました。 こういうの、けっこう珍しいかも。たいていミュージアムといえば女性が連れ立って~…というのが普通ですからね。私は女性一人でしたが、空いていたので カメラで好きなアングル撮り放題だったので良かったです。


展示は初期の車の展示から始まります

さて、このローマン(Louwman)という名前ですが、ローマンとは何ぞや?といえば、なんてことはない…お名前です。これはローマンさんのコレクション博物館なのです。


このダッジ社のクラシックカーがコレクションの始まり

え…これだけすごいコレクションを収集できるなんて、どんな大金持ちなん?と思われると思います。普通思いますよっ!私も、ここを訪問している間中、思いましたもの。 しかしですね。このローマン家は実はもともと車のディーラーなんですよね。車のディーラーで、大の車好き。…言い方を変えると、究極の車オタクなんです。


こちらはクラシック・ハーレーダビッドソン…カッコイイね

ポンコツになった中古車をタダ同然で下取りして、美しく仕上げ直す…これがローマンさんの手ってワケですよ。それでお金を貯めて、一台クラシックカーを購入する…。 そんな感じでコレクションを増やした結果がコレってワケ。いやぁ~美味しい商売ですよね。素晴らしい形だと思います。今の日本人ってお金持ちになったら 新品を買うのが普通なんでしょうけど、それをやっていたらこうはなれないんですよ、きっと。それだけだとプチ金持ちなだけで終わっちゃう。


エルビスプレスリー型キャディラック…ともかくデカすぎる…

一方、この事業を支えているのは確実な目利き。そして技術。 私の憧れる世界だと思いました。あ、別にこういう大金持ちになりたいってワケじゃないけど、人生を生きていく上で安く手に入れてそれを開花させる、という 技術はどこにでも生きると思うってことで。私は結局普通の教育を受けてきたけど、もう一度人生をやり直せるとしたら、腕を磨く、技術で食べられる人に なりたいなあ…つねづねそんなことを思っているのです。


展示方法がクールでカッコいい…

このミュージアムはさすがオタク・カーコレクターがやっているミュージアムなだけあって、オタク具合がいろいろなところに現れています。 展示もクールにかっこよく…を隅々まで心掛けているようで、いちいちカッコいいです。私は車の細部については何も分かっちゃおりませんが、 写真が好きで特にクールなアイテムには目が行ってしまうタイプなので…ここはアドレナリンが溢れかえりましたね(笑)。


ゴッドファーザーの映画の中で使用された車モデル

映画をテーマにした車もいくつかありましたが、ゴッドファーザー、007…まさに世界の男性陣にもっとも人気のある映画の車モデルってのがもう…。 私も自分で言うのもなんですが割かし男っぽいところがあると思うのですが、でもゴッドファーザーは分からないなあ…。父がこの映画が好きで、旦那も好きなので(^_^;) 何度も一緒に見ましたが…コルレオーネ・ファミリー…。音楽まで流れてきちゃいますが…この映画が好きか?と聞かれると、うーーーーーん💦💦 後ろのシーンは有名なシーンですね。


007ゴールドフィンガーで使用された車モデル

こちら1964年公開のゴールドフィンガーのモデル。007もたくさんのシリーズがありますが、やはりソ連のスパイものは面白いですよね。 ジェームスボンドで誰が一番カッコよかったかといえば…そりゃ、もうショーンコネリーでしょ!!


車が描かれたクラシックな絵画


展示室はともかく…広い

車がテーマであればなんでも収集します!というわけでもないのでしょうが、この博物館はともかく広く、色んな「車」をテーマにした展示がされています。 こちらは車が描かれたクラシック絵画展示室。アールヌーヴォーものが多く、19世紀のパリなんかが好きな人は好きなポスターが絶対に見つかるはずです。


ルマン耐久レース優勝車

スポーツカーもけっこうあります。F1をはじめとするモータースポーツカー系はイマイチ分からないので、これが凄いものなのかどうかさえ定かではありませんでしたが…💦。


こちらはトヨタデンソー…ええっと…💦

現在のオーナーであるローマンさんはトヨタやスズキに特に力を入れているコレクターなんだそうです。ともかくオタクですから…(失礼ながら何度も連呼してますが…)、 知識量とか、すごいんでしょうね。日本にも何度も足を運んだことがあるのかな。ともかく珍しい中古車・廃棄車があると世界中に飛んでいくというから、 そのオタク度はすざましいものがありますよ。


トヨダAA型オリジナルモデル

そんな彼が目の色を変えて収集したのがこちらトヨダAA型モデル。ロシアの田舎のボロボロな家の片隅に置いてあったAA型を見つけてオランダまで運んだのだそう。 そこから運んだ様子がビデオで公開されているのですが、…いや、コレクターもここまで来るともはや病気かも…、て気がしました(笑)。いや、いい意味で言ってるんですよ。 だってそれくらいボロボロなんですもの。価値が分かる人にしか分からない…💦 


私は凡人なので、むしろきれいに飾られている高級っぽい大型クラシックカーに惹かれました。いや、それが普通の感覚?!


デューセンバーグ - ともかく巨大なアメリカ高級車


破産してしまったオランダのSpyker車が展示してある場所

車には疎いので、車メーカーとかもイマイチ分からないのですが、オランダにはかつてSpykerという会社があり1880年頃から1920年頃まで車を製造していたそうですね。 そしてそのSpyker名は現在また再び蘇り、スポーツカーを製造しているのだとか…。まったく知りませんでしたが…。そのSpykerに関する車も展示してあります。

こうやって見ていくと、車の歴史って短くて変化が激しいんだな、としみじみ思います。日本車も頑張ってますけど、やはり変化についていかないと ずっと一流でいるって相当難しいことなんだということが分かります。だから…絶対安心な企業だなんて思って就職しないほうがいいってこと。 やっぱり時代は昔も今もすごい勢いで流れているんですよ。今が、じゃない。昔も同じだったんです。車の歴史が100年でこうも変わるモノなのか、ということを 眺めながら最後の方はそんなことを考えていました。


ブガッティの展示室

博物館はともかく広くて、興味あるところに時間を費やしそうでないところは適当に飛ばしていかないと最後は何が何だか…みたいな感じになります。 それかもう腹をくくって一日ミュージアムに入り浸るか…。各車メーカーの展示室もあって、延々と続きます。好きなメーカーがあるといいんですけどね。 私のようなとりあえず来ました…みたいな人、かつとりあえず全部吸収したいという欲張りな人には、最後はパンクしそうな勢いです。


マハラジャの風変りな車

最後の最後のほうで出てきたマハラジャの車。さすがにこれだけ個性あふれる車だと忘れませんね…。白鳥の口が開くらしいですよ(笑)。 この車の前にはビデオが上映されていて、アメリカの有名司会者ジェイ・レノの番組で紹介されたときのものでした。ジェイ・レノといえばアメリカでは 最も有名な司会者のひとり。私はアメリカに留学していた時代に毎日彼のトゥナイトショーを見ていたので彼の口調を聞くと懐かしくなります。 そんなわけでビデオに見入ってしまったのですが、この車の細部が紹介されていたのですが、どこもかしこも風変り…。これを引き取って きれいに仕上げて動かしてしまうこのローマンさんのオタク具合がまたもキラリとした瞬間でした(笑)。


最後…レストラン・カフェテリアへ続く道

このミュージアムの内装を手掛けた職人さんは…きっと車好きな人が多かったんじゃないでしょうかねえ。「車が好きです!」といえば採用オッケーになったとか…???あくまでも 推測ですけど(笑)。でも好きだったらさぞ楽しい仕事だったことでしょうね。最後のカフェまでもあまりにもカッコいいので、驚きました。ここまで細部にこだわったミュージアム。 やはり一見の価値はあると思います。


カフェテリア…ここで食べなかったのでお味は分かりませんが、雰囲気はあんぐり口を開けてしまうほどでした。

カフェテリアは人がいなくてそこで一人でお茶をするのはちょっと…ためらわれたので外へ出て近くの有名な(?)森のカフェへ。ここはアメリカ大使館の前という場所柄、 中に入ると英語ばっかり。しかもアメリカン英語なんですよ~~。


知る人は知っている…???森のカフェ

このカフェの名物アップルパイを食べながら耳を澄ませて彼らの話を聞くと…。たまたまこのカフェに入ってきて、たまたまアメリカ人同志出会って、そのまま居ついて話を 始めてしまった様子…。「オランダでの暮らしはどう?」から始まり「オランダでのアメリカ人社会」「アメリカ人から見たオランダ人」「アメリカはどこ出身で何やってた~」 みたいなベーシックな 話がてんこ盛りでついつい聞き入ってしまいました…。しかし、日本人はあまりそういうことはしませんね。昔、バックパッカー時代は世界で(発展途上国で)出会う日本人=皆友達、 みたいに旅の出会いが楽しみでしたが…在住者はさすがにそうはならないっていうか。いやー、そういうのも日本が~、アメリカが~…ではなく、 むしろ若いかどうか、とかそういうことなのかもしれませんけどね~笑。


名物アップルパイ…美味しいですよ♪

そんな感じのミュージアム訪問だった一日(まぁ2年も前の話ですが…)。最後はアメリカ気分まで味わえて…近いけれどずいぶん遠くにきたような気分になる気分転換にはもってこいの場所でした。 コロナ禍でなかなか外出できない、フツフツしてます…ていう方は是非訪れてみてください。