オランダで自転車 ~ 羊が平原を駆け巡る

Drente Dwingeloo 2008

オランダのドレンテ州ドウィンゲロー村には一軒のサイクリングショップがあります。 これが…さすが自転車王国(?)。かなり立派な自転車屋です。 日曜日は閉まっているのですが、土曜日の4時までに予約を すれば日曜日にもレンタサイクルができる、ということで、 日曜日はサイクリングをすることにしました。

土曜日の午後、お店の中に入ると、かなりの貸し自転車が…。 ギアなし、3段ギアつき、7段ギアつき、の中から選ぶことが でき、私たちはオーソドックスな私たちは3段ギアにしました。 (この辺りは平坦なので3段でもOK。リンブルグあたりは、7段が 無難です…。)



最初、私用にと渡してくれた自転車が、、、サドルが…こりゃ、 高すぎ…って高さ。両足が全然地面につきません。 がちょーーーん。こういう時、自分って小さいんだな、と再確認 しますよね(苦笑)。

「ちょっとちょっと高すぎです」 と言うと、それじゃあ、と別の自転車を渡してくれました。 …が、これも…。両足がやっぱり着かないくらいで高い!!

「あのぉぉぉ、、、これも。ちょっと。。。」 と言うと、それじゃあ、もう一つ小さいのがあるよ、とまた別な 自転車を渡してくれました。これが、なんとか両足のつま先が つく、という高さで、OK。はぁぁぁ、、、良かった。 まさか、これ。子供用じゃないでしょうね?!(そうかも。)

だんなの自転車にりすちゃんの補助椅子をつけてもらい、 今から(土曜日)借りてもOK、というので、そのまま自転車を 借りて、自転車屋を後にしました。

ちょっとリハーサルに(?)乗ってみようか?と、少しだけ サイクリングすることにしたのですが、、、これが。 激寒。終わった後、りすちゃんなんか、本当にぶるぶる がたがた体が震えているし、、、大丈夫なんでしょーか。 私たち。



日付が変わって日曜日。 さて。サイクリング、本番デー(?)です。 昨日も寒かったけれど、今日もまた寒い!! 夜は完全に零下に下がっている寒さです。

前日にvvv(観光局)でサイクリングルートを選び出し、 地図を購入していたのでその地図に沿って 進むことに…。



風を切って走ると、確かに寒い!! しかし、かなり着込んでいる私は平気だった…。 北海道のような大きな風景に「おぉぉぉ~」と感激したり。 典型的なドレンテの農家を覗き込んだり。。。 明らかに興奮していた、といえよう。


かわいい馬たちもいっぱい。


典型的なドレンテの農家。

…が。しかし。ここで事件が起こった。


りすちゃん、である。

彼女はいっぱい着込んでいる、とはいえ、帽子は被って ないし、手袋もしていない。おまけに彼女は自転車を漕いでいる わけではないので、風をもろに受けて、、、激寒の 真っ只中にいたのだ。

最初は、無表情。そして、号泣。 そして、最後はパニック号泣。

持っていたフリースの上掛けを巻いてやろうにも、もうパニックで 受付やしないし、歩いたら温かくなるから歩こうか、と言っても、 立とうともしないし…。

しばらくはなだめつつ、ルートを勧めようとしたのだが、、、 号泣収まらず。続行不可能。。。!

とりあえず一時中断して、Dwingelooに戻ることにしました。 幸い、まだ村から遠く離れてもおらず、すぐに戻ってこれました。 自転車を置いてホテルに戻ると、彼女の号泣はすぐに収まり、 笑顔になりました。でも、部屋で彼女の手や足を触ると、 信じれらないくらい冷たい。しかもすぐには温まらないし。 ほんと、限界だったんだなーーーー…。と改めて思う私。

ごめんよ。りすちゃん。温まったら、もう一枚カーディガンを 羽織って、もう一回行こうか。と、謝る母なのであった。 (←おいおい、懲りずにまだやるつもりか?鬼母だな…💦)



ホテルでしばし、ぬくぬくと温まった後、村で昼食を取る ことに。ここら辺りのレストランはどこも「子供にやさしい」 レストランらしく、おもちゃがいっぱいそろえてあって、 魔の2歳児を持つ家族としてはうれしい限り。

古いストーブを持つそのカフェで、ずいぶんゆっくりと した後、再度…自転車、乗ってみる?と挑戦することに した私たち。もし、りすちゃんが泣き出したら、帰れば いいんだからね。。。と。少なくとも午後は午前中より ずいぶんと温かくなっていたし、彼女もさらに上着を着せられて いたので、まあ大丈夫かなぁぁぁ~~と。

補助椅子に乗るの、いやがるかなぁ、と思いきや、意外と すぐに乗る、と応じ、さて、出発。もう購入した地図ルート どおりに進む時間は残されていなかったので、とりあえず メインの国立公園Dwingelderveldをめざすことに。

ここは、オランダに住む日本人にもおなじみ(?)のVeluweと 同じような湿地帯や荒野、森が続く国立公園なのです。 どこへいっても同じよう、といえば、その通りですけど、やっぱり 自然が好きな私にとっては、こういう風景は和みます。 季節によって全然違う風景なんでしょうね。


りすちゃんも、やはり今回は大丈夫なのか?見るものを指して 楽しんでいたよう。


ほら。こんな笑顔も。

さて。しばらく走ると、ビジターセンターに到着しました。 車が山のように止まっていて、なんだか田舎の田舎の国立公園、 にしては、大混雑って感じ。


緑の苔の屋根が目印

ビジターセンターを訪れた後、外に出ると、センター前の道路が、 すごい人ごみで、いったいナニ?って感じ。最初は、天気がいいから か?たくさんの人がワンダレンを楽しんでいるのかな?と思ったけど 改めてその数を見ると、やっぱり異常って感じ…。なんなんだろ。

だんなに「ここ、やたら混んでいるねえ…」と言うと、だんなが 「うーん、どうやら、4時に羊が来るらしい」というお返事。 時計を見ると、すでに4時。

羊が4時にやってくる?!

そう聞いて、どんなことを想像しますか? 4時にやってくる羊のために、コンサート帰り、とも思えるような 人ごみが発生するもんだろうか?!羊が大物歌手って いうわけでもあるまいに?!私の想像力は完全に 乏しく、何が起こるのか全然想像できませんでした。

なんだかよく分からないけれど、羊がやってくる、という場所に 向かうことにしました。すでに帰ってくる人々のほうが多かったので もう羊はやってきちゃったんでしょうけど、まだ何かあるかもしれない? と思ったのです。

その先には…。


一軒の建物があり。もうすでにそれ程混んでいませんでした。 少し待って、中を覗くと…。


羊たちがむしゃむしゃとご飯を食べています。

ここでだんながようやく全容を説明してくれました。 この荒野に放たれていた羊たちが、4時にここに帰ってくる んだよ。荒野の中を、犬に追い立てられながら帰ってくる姿は 圧巻なんだろうね。だから、それを皆、見に来たんだね。 私たちはちょっと遅かったねえ、と。

そうか。羊が4時にやってくる、とはそういうことだったのか。 私たちは遅かったってことなのか…。 見ると、大役を果たしたワンくんたちは、干草のスペシャルベッドに 横たわって、スヤスヤとお休み中です(上の写真の真ん中の干し草で寝てます)。か、かわゆい。


この荒野の中を、羊と犬が駆けて集まってくる…そりゃぁ、 昔テレビで見た、ハイジとペーターの世界みたいじゃないか。 ああ~私も見てみたい。見たかった。ちょっと、、、いや、 かなり残念な気分になる。呑気にビジターセンターなんて 見ているんじゃなかった…。この光景のことをオランダ語で「schaapskudde」 といいます。ここだけでなくあちこちで見られるようです。 私も、またこの辺にいく機会があったら、、、次回は絶対行きますよ!



さて。そうこうしているうちに4時もすっかり回ってしまったので…。 またまた寒くなっては大変!と、荒野を横切って村に帰ることに。 荒野は何もない茶色でしたが、春・夏は花がとても綺麗に咲く そうです。それも見てみたい…。


バルーンが飛んでました。上からの景色も壮大なんだろうなあ。


村に5時に到着。最後はかなり寒かったけど、りすちゃんも元気 になんとか無事帰ることができました。ちょっとムリしたけど、 やっぱり国立公園を見ることができてよかったなー。


ホテルに帰ってぬくぬく。さすがに2月の日曜日の晩は 空いていて、ホテルのレストランもスカスカ。私たちの 天国でした(笑)。