子連れにお勧め - のどかな川下りの一日
Zuid Holland 2018
ちょっと前に、小さな子供(甥っ子だったか姪っ子)が日本から遊びに来るんだけど、どこへ連れて行ったらいいだろう? そんな質問がありました。その時は即答できなかったんですが、今だったら「ここもお勧めよ!」と言えるルートをご紹介します。
このルートはうちの子がまだ3歳くらいのとき一度行ったことがあります。ん?それってもう10年くらい前のこと…?月日が経つのは早いな。その時の印象が めちゃくちゃ良くて、もう一回行きたいなあ~と思っていたのですが、今回ようやく再訪の機会がやってきました。

最近、オランダはどこへ行っても観光客が溢れて大変なことになってる、、、と言いますが、ここはハッキリ言って10年前とまったく変わらない、 のどかな観光ルート。観光しているのは主に白人系オランダ人で、それ以外にヨーロッパ系の観光客や私のような外国人がチラホラ程度。 でも、ほんと、、、いいところなんですよ~。なんでこういう場所がメジャーな観光地にならないのか分からないくらい、、、。でもそうなったら、良さが失われてしまうのかな?
今回の川下りの起点となるホリケム(Gorinchem)はドルドレヒトからローカル線に乗って30分ほどで到着する街。このローカル線が…本当にローカル! よくまあこんな知らない町ばかり通っていくよな!て思えるほど、まったくメジャーじゃない街を縫うように走る列車なのです。 まさに裏街道列車です。
ホリケムは城塞都市で、はっきりした形は残っていないものの今も堀に囲まれた街です。古い建物もチラホラ~…ただ新しいものとゴチャゴチャ混ざっており、 まったくの古都という感じでもありません。
アンティークショップや個性的なセレクトショップもあってここを中心にショッピングするのも楽しいかも、、、。とはいえ、今回私たちはここから船に乗るので ここでのんびりするわけにはいきません。城塞都市である旧市街をフラフラと通り抜けると船の起点地であるワール川に到着します。
ドイツで最も有名な川のひとつであるライン川は、オランダに入るとネーダーライン川とワール川に分岐します。ワール川のほうが水域が広く、今でも大きな貨物船が 時折通る川なのです。…そんなわけで、今回のワール川の船旅は、、、見方を変えるとライン川クルーズの仲間かも…?。なーんて。
ホリケムのヨットハーバー。花々が溢れ、とても雰囲気が良いです。前回訪問時もステキだった記憶が残ってますが、やっぱりステキだった!!
しかし…訪れたこの日も暑い日でした。こんな暑いのは以前だったら、年に2、3回あるかどうか?のはずなのに、今年はもうブーメランのように何回もやってきてますわ!
ただ、水不足だとニュースで何度も聞いていたので、川の水はどうなっているんだろう…と心配だったのですが、少なくともワール川はまったく問題ないようです。ホッ!
さて。船がやってきたので乗り込みます。上にすでに「船旅」とか「クルーズ」とか「川下り」とか…書いているのですっごいものを想像されている方がいたとしたら、、、 ごめんなさい!これは、実は「プチ」とか「なんちゃって」という形容詞が前にくっつきます(笑)。船に乗る時間はたったの15分~30分で、一日乗車券もなんと格安の5ユーロという スーパー安々クルーズなのです(笑)。でも、十分よ~これで。特に小さい子は、ずーっと船に乗っていても飽きてしまいますから、15分乗って次のところへ、というのが ちょうど良いのです。
川沿いには、ビーチがいくつもあって家族連れが楽しんでいました。…しかし、暑そうだ…。
15分で次の対岸の街、ウォウドリケム(Woudrichem)の旧市街に到着。子連れ家族や自転車を持ったサイクラーたちが我先にと降りて行きます。このウォウドリケム も前回訪れたときは、ものすごくよい雰囲気に感動した記憶があるのですが…今回もやっぱりヨカッタ~~。
何が良い…って。何もないところ、、、でしょうかね。雰囲気が…この辺りにはない空気が流れているとでもいいましょうか。日本人も好きだと思うけど、 おじいちゃん、おばあちゃんなんかが好きな田舎の雰囲気、と言えばよいのでしょうかねえ。古い街並みに美しく飾られた家々…ただそれだけ。
このステキな雰囲気に…私はパシャパシャとカメラのシャッターを切り続けたのですが、そこに辛辣な娘の一言。「5メートルで1回は写真撮ってるよね」…。もちろん 私も「 いーじゃん、ステキなんだからさあ。」と言い返しましたが…。しかし、娘はさらに畳みかけるように「あそこもここも売りに出されているよ。きっと住みにくいところなんじゃない?」 …悪魔のような一言!!なんなんだ~、かわいくないわね。やっぱり反抗期なのか~?
まー確かに若い人には刺激が少ないのかもしれませんけど。でも、私はこんな雰囲気が大好き!
ただただ幸せな雰囲気。お店ものーんびりしていて。お客さんとしゃべっているのか、オーナーがお友達と話しているのか…商売っ気はまったくない様子のお店ばかり。
このアンティークショップも私好みのばかり置いてあって、しかもお値段も…かなり安い~~。 やる気がないのはここも同じで、オールド・レディが二人お茶を飲みながら 楽しそうに過ごしておられました。
まったく興味のなさそうな娘…をどうやってここまで連れ出したかというと…。釣りワードは「美味しいパンケーキでお昼ご飯」(笑)。 この旧市街のはずれの川の上にパンケーキレストランが建っているのです。パンケーキ好きな娘には…この釣りワードはバッチリ作用しました(笑)。
天気が良ければ(暑くなさすぎであれば)きっと特等席になりそうな眺めの良い席。今日は暑すぎなので…私たちは涼しいお店の内部へ。他の オランダ人たちは外の船席に座ってましたけど、、、意外とオランダ人、暑さに強いね?!?!
涼しい店内でパンケーキを目の前にして…機嫌もよろし…娘さん。全部食べてたわ。昔は半分くらいしか食べられなかったのになあ~。
私が選んだのは甘辛系。ベーコンと甘いジンジャーの組み合わせ。これに甘いソースをかけて食べるのです。この甘辛系、、、一回食べ始めるとハマります~~(苦笑)。
涼んで、食べて。満足感溢れる私たちは再び船に乗って次の目的地、ラヴァステイン城へ。ところで、たったの15分間の船旅ですが、実はここ、3か国周遊ならぬ3州周遊船の旅なのです。 最初のホリケムは南ホランド州。そして次のウォウドリケムは北ブラバンド州。そしてこのラヴァステイン城はヘルダーランド州!たったの30分で3州周遊してしまった私たち!
さて。このラヴァステイン城。以前よりもずっと面白くなっていました。(プラスチックの)鍵を渡されて、それがカードになっているのですが、門が開いたり、映像が始まったり、 鉄砲を撃てたり、、、このカードでさまざまなことができる仕組みになっていました。面白いぞ!
鉄砲も…ちゃんと光が当たるようになっているのか仕組みが分かりませんが、「当たった」とか「ダメ」とか言われます。オランダ語なのでオランダ語が分からない人には厳しいものも あるかもしれませんが…。
このお城はヘルダーランドの端っこの川沿いに建っていることからも分かる通り、まさに要塞という要素の強いお城です。全然優雅な城ではありません。 多数の政治犯などがここに幽閉された歴史を持ち、一部はここで死を迎え、一部は脱出に成功しました。ぜったい幽霊がいると思うね?!いるとしたら、こういうところでしょう?!
たくさんの観光客がいればいいけど、たまに部屋で一人っきりになってしまうこともあるので、ちょっと怖い、、、。部屋もいろいろあって、どこをどう通ってそこに到着したのか 分からないような感じ…。
二時間の訪問はけっこうあっという間に過ぎてしまいました。うちの子も思ったより面白かったと言ってました。小さい子やノリノリの大人向けに仮装服もあるし、けっこう あちこちに工夫がなされていてよい感じでした。
船の時間になったので桟橋へ。けっこう揺れる桟橋埠頭。時間があればこの先にはもう一つポイントがあり、そちらに立ち寄ることもできます。そこは第二次世界大戦時などに 使われた別の要塞のようです。今はレストランなんかになっているようですが…この何もなさそうなワール川沿いも実はいろいろあって楽しそうなんですね。 まだまだ発掘のし甲斐がありそうです。
観光船会社: Riveer.nl