マウリッツハウス - ロイヤルコレクションを見る
Den Haag 2016
久しぶりにマウリッツハウス美術館に行ってきました。 実は改装されてからは一度も行ったことがないので…何年ぶり?(苦笑) 通常コレクションは過去に何度も訪れており、今やそれだけを目的に行くことは ほとんどありませんが、今回はイギリスのロイヤルコレクションが来ると いうので、絶対に行かねば、と思っていたのです。
過去の特別展に行った経験からしますと:
人気特別展の場合、時期を見ていかないと大変なことになる可能性高し。
有名な名作を何点も展示する世界に名高い美術館とはいえ、 このミュージアムの問題は…とても小さな美術館である、ということ。 人が一気に訪れるとパンクしてしまうのです。
普段は観光客メインでひっそりとしていても(そうでもないか?)、 「これは見たい!」という特別展が開かれればオランダ中から 絵画ファンがわんさか訪れるので、すごいことになってしまうのです。

今回のこのロイヤルコレクションは…数こそ少ないものの、、、
1. オランダの黄金時代17世紀の画家たちの絵画のみ焦点
2. 1.の絵画の中でも一番人気の高い人々の生活に関する絵画である
3. 英国の宮殿やらそれ関連の場所に飾られた絵画で、普段まとめてみる
機会がそうそうない
4. わざわざケイトさん(キャサリン妃)までこのイベントにやってきた
(←ということは、相当気合が入っている作品点なハズである)
そんなワケで、今回は心躍るように楽しみにしておりました。 人々に押されながら前に行けない、じっくり見られないのはごめんだぜ? ということで、一番人々がいないと思われる月曜日を狙って行きました。
ちょうど開門時間の13時頃行くと、行列が見えて、ギョギョっとしたのですが 開門前の行列だったので、開門と同時に流れていき、ほどなく中に入りました。 チケットブースは並んでいたのですが、私はミュージアムカードを持っているので 直接入り口まで行けたのも良かったです。
人気特別展…にしてはやっぱり空いてます。 月曜日は狙い目!
特別展へ
長いロープが張られており、やはり普段は行列なのかも… この日は並ばず入れました~!! ラッキー!! 特別展の感想は…想像した通りすごく良かった、のひとこと。
フェルメールの一点は、フェルメール絵画本の表紙になる有名作でしたし、 何点かあった私の好きな画家ヤン・ステーンも非常に面白い絵画でした。
そしてフェルメールと同じくデルフトの街並みを描いた Pieter de Hooch絵画も 光と影が素晴らしく、ひとり喜びをかみしめながら見ていました(笑)。
Pieter de Hoochは、ロンドンのナショナルギャラリーにも素晴らしい絵画が 展示されており、イギリス人が好きなオランダ人画家なのかもしれません。 確かに彼の絵画はデルフトの雰囲気が一番よく現れています。
上の写真はナショナルギャラリーにある私の大好きな絵画 - The Courtyard of a House in Delft - Pieter de Hooch
絵画は見に行っても、何日か経つと「こんなん見たっけ?」と忘れてしまう もの多し、なのですが、今回は何日経っても忘れられませんね。
22点の絵画にきっちりとその絵画の意味が展示されているのも良かったです。 17世紀の普通の人々はどういう生活を送っていたのか、どんな人生を送ったのか、 そんなメッセージを受け取るためには、絵画の「意味」を理解する必要があります。

まー、今は昔ほど単純ではないかもしれませんが、「男女の意味」「愛」…というのは 人類にとって永遠のテーマなワケで、、、私たちはやっぱりそういうものが 一番身近だし、そういうものに興味が沸くワケです。
しかし、「愛」といっても、その当時、堂々とキスシーンやましてや裸シーンを 描くのはタブーでしたので、それに代わる「愛の意味」を絵画の中にメッセージ として残すのが通常でした。
たとえば(精力をつけるための?)生ガキ…これが一番メジャーだと思いますが このカキが描かれる絵画は、当時の「今夜はOK?」「いいわよ」 …男性が誘う→女性が応じる、という典型的なサインなのです(笑)。
マウリッツハウスにもカキを食べる女性の有名な絵画がありますが… 実は意味合いとしては「私、今夜はやる気満々」という意味なのです。 ま~、なんともエロチック(汗)。
今回の作品展では、こういう裏意味もじっくりと記載されていたので、 17世紀のオランダ絵画初心者の方は、こういった作品の意味も読まれると より深い絵画の意味がよみとれて面白いのではないかと思います。
特別展で全作品に集中し過ぎて疲れてしまったので、通常コレクションはスルー… と思いましたが、真珠の少女にもずいぶん会っていなかったので、 軽~く通常コレクションも見て、今回の訪問は終わり。自分で言うのもなんですが…贅沢ですね~。
外に出て、のんびり秋のデンハーグの風景を見た後、M&Sに行きました。 いつも行くワケではないので、定かではありませんが… やっぱりポンド安の影響か?なんだかお安い、、、と感じました。 ショートブレットとか、こんなお値段だったっけ?私の勘違い? というわけで、数点お買い上げ。 ポンド安は私には関係ない、と思ったけどちょっとは恩恵を得たわ~(笑)。
終わってみれば、ずいぶんイギリス色の濃い一日になったのでした。 家に帰って、だんなに怒涛のお薦め攻撃…。 それだけでは、気が済まないので、こちらで皆さんにもお薦めしますよ(笑)。 ただし、空いている時間を狙ってお出かけくださいね~。